なななのゆるゆる翻訳

自分が翻訳したいと思った歌詞・本だけをゆるく訳してます。

死にたいけどトッポッキは食べたい 付録:憂鬱の純機能【苦痛と癒し】

 足りなかったと実感するときがある。それが愛だろうと、仕事だろうと、すべて終わってから「あぁ、あの時至らなかったんだな、あの時私が間違っていたんだな」こんな感情は苦痛と癒しを同時に与える。また戻れないという苦痛ともう同じ間違いを繰り返さないんだナという癒し。それが仕事なら癒しが大きいが、愛なら苦痛が大きい時が多い。また繰り返さないようにしないとと気づく瞬間相手は私のそばにいないからだ。

 戻ることのできない愛のうわべを黙って抱いて私たちができることなど特にない。黙々と日常を持続したり、戻ってこない感情を捕まえるのに一生懸命になったり、自分自身にかじりついたり。

 そういうとき本を読む。解決できない感情を他人に終わりなく吐き出すことほどの拷問はない。私や相手にとってすべて意味のない感情消耗の繰り返しになるだけだ。しかし本は違う。私の考えと、私の状況のような本を薬を見つけるように見つけて迷って紙がすりへるほど読んでまた読んで、列を作ってまた並んでも本は私から顔を背けたりはしない。嫌がったりしない。結局長い時間を使って解決策を得て、治療されるまで静かに長い間待ってあげる。本の最も大きな魅力のうちの一つだ。