なななのゆるゆる翻訳

自分が翻訳したいと思った歌詞・本だけをゆるく訳してます。

死にたいけどトッポッキは食べたい 付録:憂鬱の純機能【孤独はとても特別な場所】

 壁に目がついている。わからない彼らの携帯電話の中に、事務所のパーテーションに、街をふらつく空気の中に。孤独が目を覚ますと恐怖もともに顔を出し、数多くの目はまた瞬きをし私の文章と表情を嘗め回す。

 私にとって孤独の場所は10坪の部屋の中、私の背丈ほどの布団の中、歩いていてぼんやりするような空の下、人々の間に浮かんでいたと思うと感じられる異質の境界。無視したり、自責したり、ポケットの中に入れた手をもぞもぞさせて取り出せない瞬間、私の声を録音して空っぽの部屋の中でその音を聞くとき、カフェで焦点の合わない彼らの目と合った時、視線を怖がるが、そのどんな視線もないとわかったとき。このすべての場所でくみ上げた孤独が果たして特別になるだろうか。芸術家たちだけの特権ではないだろうか。