なななのゆるゆる翻訳

自分が翻訳したいと思った歌詞・本だけをゆるく訳してます。

死にたいけどトッポッキは食べたい 付録:憂鬱の純機能【フィクション】

 あの頃私が持っていた才能とは他人の気持ちをひっかくことだけだった。暗い夜ともしびのように私には人々の弱点があまりにもはっきり見えて、それに突っ込んで攻撃することを楽しんだ。なぜそんなことをしたのかと誰かが聞いたなら正確に答えるのは難しいが、多分私も私をよくわかっていなかったからだと思う。私が私を知らないから世界が知っているふりをするのを耐えることができず、確信する者たちを見ると息が詰まって吐き気を催した。私は彼らのしんねんのなかの弱点を幽霊のように探し出してけなし、彼らが戸惑ったり時には崩れ落ちる姿を見て慰められた。本当に粗悪な人生だった。