なななのゆるゆる翻訳

自分が翻訳したいと思った歌詞・本だけをゆるく訳してます。

山荷葉

山荷葉 和訳 作家の言葉

’僕にとって音楽とは?’ 多少飽きて見えるかもしれないこの質問はある時僕にとって大きな宿題だった。 初めてベースギターを握った中学校時代。 その時僕にとって音楽は楽しい遊びだったが、歌手を職業にし始めた瞬間から僕にとって’音楽’という二文字は世界…

山荷葉 和訳 12.산하엽

季節が変わって、もうはっきりとした春。暖かい春雨が降っていた。 男は窓の外をじっと見つめて突然荷物をまとめ始めた。 ”どこに行くんですか?” 夕食の食器洗いをちょうど終えた後輩は、濡れた手をエプロンに無造作に拭って尋ねた。 ”あ…チェジュ島に行っ…

山荷葉 和訳 11.Red Candle

女が別れの影から抜け出している頃、男はやはりなんとか日常を続けていた。たとえ罪悪感と過去の自分を懐かしむ郷愁から抜け出せないまま酒に依存する日々が増えていても。普通の日のように男は適当な人と一緒に酒を飲んでいた。そしていつもそうだったよう…

山荷葉 和訳 10.내일쯤

ひとしきり暴風雨が席巻して過ぎて行った海がまた穏やかさを取り戻すように、果てしなく揺れ動くような女の気持ちも静まり返った。いつまた急変して気まぐれになるのか誰もわからないが、それでも今すぐは大丈夫だった。彼はやはり彼女から少しずつ消されて…

山荷葉 和訳 9.미안해

最近になって男は酒を飲む日が頻繁になった。 彼は恋しさの二日酔いに陥りじたばたしていた。別れを誰が先に伝えたのか、その後に時間がどのくらい流れたのかそんなことはもうこれ以上重要ではなかった。重要なのは’僕ら’だった2人が今では’他人’になったと…

山荷葉 和訳 놓아준 이야기 8.알람시게

放してあげた話 ”努力しなくても君は既にそこまで遠かったのに。 むしろあの時もっとそばにおくことを。もっと考えることを。 もっと苦しんで無気力になるんだった。 別れの言葉も君に譲るんだった。” 8.알람시게 振り返ってみると大切な時間だった。 別れて…

山荷葉 和訳 7.U&I

普通の恋人たちと同じく彼らの初めての出会いは運命的で、 愛が燃え上がる直前危機があった。わずか半日前後だったが。 それはやはり急ぐ男の気持ちによる誤解だったが、振り返ってみると本当におかしいことだった。 時は男が南米での旅行を終えて帰ってきた…

山荷葉 和訳 6.상사병

男は作家だ。 有名ではないが、自分だけのはっきりとした世界と熱い情熱を抱いている若い作家。 しかし普通の芸術家たちがそうであるように男も1日に数百回、数千回ずつ極と極の感情の起伏を経験して、最近はペンを置こうか考えるほどに疲れていた。実際感情…

山荷葉 和訳 흘러간 이야기 5.줄리엣

流れて行った話 ”愛…” 彼は小さな声で言った。 そして愛という単語がこんなに美しい発音を持っていた単語だと人生で初めて知った。 ー初めて会った日から 5.줄리엣 5年前のある遅い春の日。 男は子犬と一緒に漢川を散歩中だった。 ’久しぶりに散歩に出てきた…

山荷葉 和訳 3.버리고 가

女と別れた後自分だけの時間を吟味した男はある日ふと寂しさを感じた。 まるで1人でいる時間に初めて出会ったかのように。息をすることやご飯を食べること、1人で寝ることが胸にしみるように怖かった。誰かに手を握ってもらいたかった。 もちろん男が人生で…

山荷葉 和訳 3.늘 그 자리에

早朝、彼女の目が自然に覚めた。 昨晩インタビューした歌手によって1日の終わりを完成させたおかげだろうか。別れと共に訪れた不眠症で悩んだ彼女だったが、昨晩は違く眠りについたのだった。 ’大丈夫な方法だね。1日を終える意識だということなのかな?’ ど…

山荷葉 和訳 2.하루의 끝

捕まえることができない、流れていくものが時間だ。 彼と別れたあの夜から時間は休むことなく流れて行ったが、彼の最後の挨拶の言葉は今も彼女の耳元で巡り回っていた。 ’お元気で。’ 倦怠感に勝てず男は別れを吐き出した。 2人が共にした最後のその瞬間の言…

山荷葉 和訳 다가온 이야기 1.No more

近づいてきた話 ”残念にも思います。どうしてあれほど熱かった僕たちが、暖かさはおろかぬるくも、冷たくもない、腐ってしまうのにぴったりな曖昧な温度の関係になったのだろうか。” ー別れた日にから 1.No more 男にはおかしな習慣があった。 自分の感情が…

山荷葉 和訳 プロローグ

本日ジョンヒョンの作家デビュー作「山荷葉」が届きました。 今日から全文を翻訳したいと思っています。 長い時間をかけて、ゆっくり整理しようと思います。 今週末は京セラドーム公演に行ってきます。 今も少し怖いですが…行かないと後悔すると思うので行っ…