なななのゆるゆる翻訳

自分が翻訳したいと思った歌詞・本だけをゆるく訳してます。

山荷葉 和訳 3.버리고 가

女と別れた後自分だけの時間を吟味した男はある日ふと寂しさを感じた。

まるで1人でいる時間に初めて出会ったかのように。息をすることやご飯を食べること、1人で寝ることが胸にしみるように怖かった。誰かに手を握ってもらいたかった。

 

もちろん男が人生で寂しさに初めて出会ったわけではなかった。彼はしばしば訪ねてくる寂しさを両手を広げて歓迎したが、以前とは異なり誰かを必要とする寂しさの露骨な要求にかなり当惑した。すぐこの寂しさを慰めてあげないと、それは永遠に消えることなく彼の中心に押し付けるような不安感を感じた。1人という事実に対した恨みは、方向を失いあちこちぶつかって彼の胸の中を啄ばみ傷を生んでいた。男は自分がこんな凶暴化した寂しさに会うことになるとは想像もできなかった。

 

適当な人が必要だった。

彼との話をつまみの材料にはしないが自分のこんな時代は打ち明ける人。

口がとても軽くも、それほど重くもない人。

呼称の冠を大きく気を使わない人。

暑い時は熱気に、寒い時は寒気になる風のような悪擦れのした人。

足首よりは高くひかがみよりは低い人。

 

そんな適当な人が必要だった。

アドレス帳を読んでいた彼はしばらく手を止めた。相変わらず残っている彼女の番号。通話ボタンを押そうか悩んでやめた。お互いが楽になるために離れたのに、今更自分の寂しさを慰めようと連絡することはできなかった。寂しさの乳を飲んで育った愛は恩返しを知らない。むしろ寂しく死んでしまって恩知らずな愛の両親になることはないと思った。

 

女は寝る前にいつも音楽を聴いた。それで時々男は彼女のために口笛で歌を歌ってあげたりした。男は残念ながら女の習慣を通して寂しさを慰めてみようとした。女と別れた頃に聴くようになった歌を、喜んで取り出して聴いた彼女の顔がかすかに浮かんだ。何年も共にしたあの顔がわずか数ヶ月見なかった間にこんなに遠くなるものだろうか。

 

彼女は既に彼から消されていた。